■□■――――――――――――――――――――――――――
□■  ノウハウバンクメールマガジン
■     「これからのマネジメント」
                       経営コンサルタント三科 公孝
       http://www.knowhowbank.net/     
――――――――――――――――――――――――――■□■

3.家族主義と成果主義

バブル経済崩壊以前。
日本経済は絶好調。
その頃、全世界で日本式経営に熱い注目が集まっていました。
その中の一つが、終身雇用を前提とした、家族主義でした。
社員を家族のように扱う。
家族として付き合い、大事にする。

しかしそれもバブル崩壊後の長引くデフレ不況の中で変わっていきました。

終身雇用は悪。
家族主義も悪。

こういうレッテルを貼られ、家族主義は否定され、次第に消えていきました。

その家族主義の衰退と入れ替わるように注目されてきたのが、成果主義です。
「社員の評価は成果に報いる」との考え方です。
その人がその期に上げた成果に対して、企業も報酬を支払うと言うものでした。
「いっぱい稼げば、いっぱい貰えますよ。」
「稼げなかった年には、残念ですが少ししか貰えませんよ。」
これは業績が悪化している会社、労働分配率が高く、赤字に転落した企業にはとてもよい手法のように、当初は思われていました。
実際、成果主義導入で一時的に効果の上がった企業もありました。
しかし、年々、成果主義導入の効果は小さくなり、ついには業績アップの邪魔をし始めます。
成果主義は個人プレイに走りがちで、チームプレイ、連係プレイの必要な場面では、かえって足を引っ張る原因となっていったのです。
社内のコミュニケーションは失われ、不信感が蔓延し、情報の流れも滞って行きました。

そして現在、日本中で(世界中で)、成果主義を見直そうという機運が満ちています。
 
その突破口として、再度、家族主義の良さを見直そう、という動きが出始めてきました。

現在業績絶好調のキヤノンでは「新家族主義」を導入しています。
これは実力主義と家族主義をともに満たした仕組みのことです。

成果は実力のうちの一部。
数字に表れない実力もしっかり評価しよう。
そして家族と同じように互いに付き合おうという考え方です。

新家族主義 = 家族主義 + (能力評価 × 成果評価)
         = 家族主義 + 実力評価

ここ何年間は金、カネ、かねのお金だらけの世の中でした。
 
しかしその一方で、大切なコトを大切だと認識する、内面の充実の芽もしっかりと育っていきました。

おカネも大事。
精神的豊かさも大事。 
どっちも、共に大切。

その大切な両方をしっかりと持ち続けていこうというのが「新マネジメント手法」です。

人間は人間であって、機械や道具ではありません。
当然のことですが、その当然のことができていないから様々な問題が起こっています。

新家族主義は、社員一人ひとりと人間として大切に付き合っていこうとする考え方であり、仕組みです。

かつて中世ヨーロッパでは、暗黒の時代の後に、人間性の回復をテーマとしてルネッサンスが広がりました。
この時は、宗教の呪縛から、人間性を開放しようという動きでした。

今、日本は暗黒の10年を経て、経営のルネッサンスが起ころうとしています。
お金に縛られて、がんじがらめになっている、人間性を解放しましょう。
人間はバカじゃない。
とてつもない可能性が秘められている自分、社員、仲間。
そのすべての可能性を発揮させる。
それが「新家族主義」なのかもしれません。

**********************************************************
Copyright (C) 2007 know-How Bank Co.,Ltd. All Rights Reserved.
無断コピーや転載は禁じます
◆発行:株式会社ノウハウバンク http://www.knowhowbank.net/
◆ご意見・お問い合わせ: http://www.knowhowbank.net/Inquiry.html
**********************************************************